Qスイッチルビーレーザー|美容機器 検査|教えて看護婦さん美容医療の教科書

Qスイッチ付きルビーレーザーは、主にメラニンに吸収される波長を発するレーザーになります。我々のシミの原因の多くがメラニン由来であるため、これを除去するために利用されます。

Qスイッチ付きルビーレーザーについて

Qスイッチ付きルビーレーザー(Qルビーレーザー)は、メラニンに対して感受性の高い波長を発振するレーザーで、主にシミの治療に用いられます。このためレーザーといっても、赤アザを中心としたヘモグロビンを理由とするシミには効果がありません。まず、シミの種類を診察する事が重要です。

メラニンの分布は、ごく浅い表皮から深い真皮まで、シミの種類によって異なります。主に表皮に分布するメラニンに対しては、ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬も有効です。このため、レーザーを打つ事が心配な方は、まず外用薬にて保存的に治療することも選択肢の一つになります。ただし、この場合は真皮層にあるメラニンは除去することは出来ず、メラニン除去には限界があります。

ルビーレーザーの注意点

そのような便利なQスイッチ付きルビーレーザーですが、レーザーをうつ事で発生する熱により炎症後色素沈着をおこす事があります。これは肌の生体反応のひとつなので、残念ながら防ぎようがありません。原因となっている炎症がすでに消退している場合は、顔の場合でおおむね半年間、上肢で1年間、体幹で2年間、下肢で3年間といわれています。何度もレーザーをあてると、その度に同様の反応が出てしまいますから「待つのが仕事」となります。この事を良く理解してから治療を受ける事が重要です。

ルビーレーザーをうつとどうなるの?

レーザーを照射すると、照射部位はカサブタになります。1週間ほどで、自然に剥れるので無理に剥がしてはダメです。一般的に早期から無理にかさぶたを剥がすと、炎症後色素沈着も長引く事が多いとされています。
自然に脱落するまで主治医の指示通り軟膏を塗るなどの継続的なアフターケアが重要になります。

残念な事に炎症後色素沈着になった場合は、炎症の原因を除去する事が重要です。Qスイッチ付きレーザーの照射による肌の機械的刺激が原因であれば自然に消退しますが、ハイドロキノンなどにかぶれている場合は、炎症の原因がルビーレーザー以外に残存していることになります。
このような場合は、カブレの原因を除去するためにハイドロキノンを中止して、経過観察する事が重要です。

何か原因があれば、それを取り除くのが重要なので、様々な事をしようとせず「ただただ待つだけ」という治療方針も、かぶれをつくるものを塗らないという意味では正しいといえます。
何もしないのも、ひとつの治療になるのです。

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