ハイドロキノン トレチノイン|内服薬|教えて看護婦さん美容医療の教科書

ハイドロキノン トレチノイン

ハイドロキノンクリーム

市販されている美白剤の70倍~100倍程度の強い美白効果を持ちます。メラノサイトからのメラニン産生を抑制するため、新しいメラニンが生じにくくなります。表皮の上にあるメラニンだとターンオーバーで脱落していくため、美白効果を期待できます。ただし、かぶれに注意。

初回は必ず目立たないところで試験的に塗ってみて、赤みが生じなければ顔での使用をオススメしています。

ハイドロキノンは価格的にも安いものになりますので、(クリニック処方で5g容器1,050円程度になります)気軽に使える美白目的の薬剤になりますが、化粧品ではありませんので注意して使用する必要があります。

また、限界があります。真皮層に落ちたメラニンは除去できません。これらのメラニン色素を落としたい場合は、Qスイッチ付きルビーレーザーなどによって深部のメラニン処理する必要性があります。

トレチノインクリーム

トレチノインはビタミンAの誘導体です。
生理活性はビタミンAの約50倍~100倍で、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものです。
ニキビ治療薬としてアメリカFDAで認可されており、シワなどの皮膚の老化にも効果があるため、多くの患者さんで皮膚の若返り治療薬として使用されています。

■皮膚に対する作用

●角質をはがします。
●表皮の細胞分裂を促進し、皮膚の再生を促します。4~6週間かかるターンオーバーを約2週間に促進します。
●皮脂の分泌を抑える効果があり、それによりニキビに効果があります。
●真皮のコラーゲンの生成を促し長期的には皮膚のたるみ、小ジワを改善します。
●真皮のヒアルロン酸などの生成を促し、皮膚をみずみずしく保ちます。

■使い方

一日一度、夜に塗って下さい。使用している間は、刺激の少ない石鹸で、こすらずに洗顔します。 表皮がこすれると、トレチノインの浸透性がよくなり効きすぎる傾向があります。また、当院では口角と上まぶたに塗るのは控えるようにおすすめしています。

■使用上の注意

使用し始めたときは、塗っても反応が見られない事もありますが、数日後から塗った部分が赤くなり、肌荒れのようにポロポロと剥けてきます。これはピーリングとしての作用で、刺激に対して敏感になります。この反応はかぶれではなく、トレチノインが効果を発揮していることの現れで、はじめの2週間~8週間はBleaching phase(漂白段階)といいます。この段階ではシミを落とす効果が強くでますが、表皮剥離もそれに応じて強い状態です。その後、Healing phase(治癒段階)といい、それらの炎症が落ち着きます。

真皮層の線維芽細胞に作用する段階にうつりますので、シワを防ぎ肌のツヤを維持する効果が出てきます。

漂白段階での反応は人それぞれですが、表皮剥離は少ない方もいます。
約7日間~10日間の休薬で表皮剥離は改善しますので、上手に自己管理する事が可能です。表皮の炎症所見は防ぎようのない反応になりますが、水泡などが出来る場合は接触性皮膚炎となりますので、中止した上で診察を受けてください。 反応が強く出る場合もあるので、皮膚のタイプによっては、当初3日に1回のみを2週間継続し、次に2日に1回のみを2週間継続し、問題なければ毎日夜1回のみの使用を推奨しています。

■保存方法

トレチノインは一般の薬剤と比較して分解が早く、光で分解するため、冷暗所保存がオススメです。

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